「え!?」がせネタだらけの世界史
2021年12月3日
職業がら有名な逸話を調べることが多く、感心させられる一方、がっかりさせられることも少なくありません。「弁慶はいなかった。」「一休のとんち話は全て江戸時代の講談師の創作だった。」などと知った時、私の夢は微塵にも壊されました。
また、まことしやかに面白おかしく伝わっている「がせネタ」も少なくありません。有名なものとしては、「ナポレオンは背が低かった。...これは英仏戦争中、英国が自国の戦意高揚のために流したデマで、実際は仏人の平均身長)」「シーザー(ユリウス)とアウグストゥス(オーガスト)が自分の名前をカレンダーに割り込ませたので、9月なのに7(セプト/セブン)、10月なのに8(オクト)、11月なのに9(ノーべ/ナイン)、12月なのに10(ディエチ/デシ)...これは古代ローマのカレンダーの1年は、3月スタートだったから」
さて、最後に教訓めいたお話をしましょう。それは、パンすら食べられない飢えた民衆の話を聞いてアントワネットが言ったとされる「パンが食べられなければお菓子を食べればいいじゃないの」です。この貴族ならではの無知な言葉は、民衆の怒りを買い、最後には断頭台に彼女は運ばれたのでした。
実はこのセリフは、とうじ別の貴族の放った言葉で、その人物もある程度特定でき、しかもその言葉はそれよりも昔からあったものだそうです。
ではなぜこうなってしまったのでしょう。それは、民衆の彼女への憧れが憎しみに変わった時、悪いことは全て彼女が言ったこと、やったこととなっていったのです。「彼女なら言いそう」「彼女ならやりそう」と。
教訓。信用や信頼を失った時、人は突然窮地に立たされます。くわばらくわばら。みなさん、気をつけて下さいね。