文化文化芸術歴史

ちょっと早いけど,クリスマスの話

2021年11月30日

歴史家の立場から言うとクリスマスはキリストの誕生日ではなく、誕生を祝う日です。12月25日は世界で初めてキリスト教を国教とした古代ローマ帝国の冬至の日で、太陽神の日でもありました。キリストのイメージと光が重なった事から、これから全てが始まると考えられた冬至が選ばれたわけです。
 ところで、24日の「クリスマスイブ」って、本当は前夜祭でないって知ってますか?そこには、西洋のクリスチャンでさえ忘れている秘密が隠されているのです。
 中世の時代、常識として一日の始まりは日没でした。日が沈んで一日が終わり、続いて新しい一日が始まるというイメージです。
 そうです。我々のカレンダーで言うところの、24日の「イーブニング(イブ)」から、25日が始まっているのです。だから「メリークリスマス」。
 イブを前日と勘違いした人が,「今日は23日だからイブイブ。昨日はイブイブイブ」なんて言ってますよね。個人的にはこのギャグ好きですが....。
 さて、我々世界史の教員はキリスト教と西洋の話をする時に、教会が自分達を正当化するための道具の一つとして、いかに目の敵にしているものを「魔女」と断定して火あぶりにしてきたかを話すことがあります。

そんなある日のこと、魔法学校のホグワッツでクリスマスが開かれました。もうびっくりでした。
 でも今回は、かたいことは言わずに、ダンブルドアが言っていたようにこう言いましょう。
  「みなさん、良いクリスマスを!」

ミネルヴァの梟がいま飛び立つ