「ヨーー!ポン!」鼓の打ち方教えます。(小鼓編)

2021年11月30日

 皆さん、きょうは、つづみの打ち方を教えますね。「ポン」と鳴る小鼓(こつづみ)の方です。

 まず、鼓を組み立てます。太い木をくり抜いた筒の両端に、打つ面と反響させる面ではさみ込み、それを互いにあやとりの紐のように結びつけます。

ここでチューニングです。

 打つ時は、鼓の紐の握り方とスナップの強弱で音の種類を調節します。

 音色は4種類。紐を素早く強く握って、素早く離す瞬間に打つ「ポ(ポン)」、離したままで打つ「プ」、握ったままで薬指の先で打つ「チ」、握ったままで4本の指先の腹で強く打つ「タ」です。

 打ち方の基本は、指先を揃えて、赤ちゃんのほっぺたを摘むように柔らかく動かし、手首は十分スナップをきかせます。決して手の平や指先を硬直させてはいけません。ただ「ペタッ」と恥ずかしい音が出るだけですよ。

 音色は湿度に大きく左右されるので、打つ面と反響させる面の両方に息を十分はいて湿らせます。それでも、鳴り方が悪い時は、反響面に唾をつけて調節して下さい。

 さあいよいよ、打つ準備です。

 まず、正座が完了したら、左手であやとりのような紐の束に指を通して、軽くつかみ、手の甲を上にして左膝の上に乗せます。

 次に、その紐をつかんだ左手の甲を上にしながら親指を右耳に近づけて、反響面を右肩の前にセッテイングします。決して肩の上ではありませんよ。

 そして大きな掛け声で「ヨー!」と言って「ポン」と打ち、「ホー!」と言って「ポン」と打って下さい。

これで、完成。

 ただ、能が演じられいている最中、何度も左手は、握力トレーニンググッズのように握ることになるので、普段から鍛えておきましょう。それではまた。

ミネルヴァの梟がいま飛び立つ