Lifeアイデア教育

学校の先生の裏技(その3)…黒板の筆圧の強いチョークが消えない時編

 筆圧の強い先生がチョークで文字を黒板に書くと、黒板を消す係の生徒は、本当に苦労します。ベテランの先生は、黒板消しを両手で強く均等に押し付けて、じっくりと時間をかけて、黒板の左から右に向かって、汚れを根こそぎ取っていきますが、残念ながら、強い筆圧のチョークは、しぶとく残ります。そこで通常は、湿らせた雑巾を使ってこれを消して仕上げます。しかし、これを最も簡単に消す方法があるのです。

 皆さんは、皮や板の表面に向きがあることをご存知ですか?すべすべする方向と引っ掛かりのある方向です。実は、黒板消しにも、すべすべした方向と引っ掛かりのある方向があるのですが、いつも皆さんのやっている方法はすべすべしている向きを使っています。通常はこれがふさわしいのですが、筆圧の強いチョークには歯がたちません。そこで、次のように使います。

 まずいつものように黒板消しを、アルファベットの「I(アイ)」の形で握ります。しかしそれを横に引いていくのではなく、文字に対して、縦に紐を引くように使うのです。するとどうでしょう。あんなに消えなかった筆圧の強いチョークが、力も入れず簡単に消えるのです。この方法を教えるといつも生徒から歓声が上がります。

 目から鱗です。しかし随分前からこの方法を伝授しているのに、何故か世の中に広まりません。何故でしょう。黒板消しで、この技までも消されてしまうのでしょうか?

 私にとっては、教員生活最大の発見だと思っているのですが…。

ミネルヴァの梟がいま飛び立つ